例えばEbのこんなフレーズ。
とりあえずフレーズについての理論的な解説は置いておいて、、、
このフレーズをどのポジションで演奏するか、というお話。
1 替えポジション使用しないパターン
まず間違いなくほとんどのプレーヤーはこのポジションで演奏するはず。
私もこのポジションで普段は演奏しています。
実演
まったく問題なく演奏できますね。
ただ、ふと「もっとスライド楽に演奏できんじゃね?」と思い立ち色々試してみることに。
いや、上記ので全然問題ないんですよ、全然。
ただね、スライドの動きが多いなと。
私がスライド操作に関して1番ストレスに感じることは、ある音からスライドを伸ばして(縮めて)次の音を吹いた後にまた逆方向にスライドを縮めて(伸ばして)次の音を演奏すること。と、トロンボーン吹きなら当たり前のことがとても力が入ってぎこちなくなります。
普段からスケール等しっかりスライディング練習してれば克服できるのですが、それを言うと話が進まないのでね、お付き合いください。
ということで文章にするとわかりにくいと思うので先程のフレーズを例に出してみますね。
1小節目2拍目頭のF(ファ)から2小節目1拍目Dまで
1ポジション(伸ばして)4(縮めて)3(伸ばして)4(縮めて)1(伸ばして)3(縮めて)1ポジション
このように1音出してスライドを逆方向に、そして1音出してまた逆方向に、というのはなかなか大変です。早くなると特に感じます。
言い方あっているかわからないけど、とりあえずここではこのスライドを伸ばす(縮める)動きを「ストローク」と呼びましょう。で1ストロークで1音だけ、っていうのは早く演奏するためにはとても効率が良くないかなと。
以下先程のフレーズをわかりやすいように記号入れてみました。
このスラー記号がスライドの「ストローク」ですね。矢印がスライドの方向です。
見事に1音ずつ入れ替わってますね。このように1音毎に矢印が入れ替わっているフレーズが吹きにくいフレーズとなります(私にとって)
矢印の数を数えてみましょう。
8個ありますね。ということでこのフレーズを吹くために8ストローク必要ということになりますね。(ほんとこの言い方であってるかな?いい言葉知っている方教えて下さい)
ということで替えポジションを使ってこのストロークを減らしてみましょう。
2 替えポジションあり
はい、ではいきなりポジションをどうぞ
ここでの替えポジションはBb(シb)を5ポジション、F(ファ)6ポジションでとっています。
矢印の数も5となりました。(5ストローク)
解説
1 G(4)→Bb(5)→F(6) 替えポジションによりGからスライドを伸ばすだけでBbとFが演奏可
2 Fを6ポジションにすることで縮めるだけでDとEbが演奏可
3 Bbを5ポジションにすることでEb,Gと伸ばすだけで演奏可
4 Bbを5ポジションにしたことでCとDは縮めるだけで演奏可
5 替えポジション無しで演奏可
説明長いですね。はい実演
どうです?なんとなくスライドの動きが滑らかになったと思いません???
練習すればまだ速く吹けると思います。
ちょっと「俺知ってるぜ!」と玄人感も出せますね。
さて最後もう一つのパターンを紹介して終わりますね。
3 替えポジションあり、False toneあり
最後はこんな感じ
最後は替えポジション+本来出せない音の組み合わせです。
赤丸付いているD(レ)、この音本来なら4ポジション以外では出せません。他の替えポジションはありません。
そんな音をスライディングを楽にするために無理矢理他のポジションで出しちゃおう、という。
矢印の数は4つ
解説
1は最初のフレーズと同じ動きなので省略
2はDの音を口で(ピッチベンド)操作して2か3ポジションあたりで出す。そうすることによってBb(シb)まで1ストロークでいっちゃおう、というテクニック。
では実演
どうです?さらにスライドの動きが滑らかになったと思いません???どう?どう???
すみません、ここも勉強不足で正確な言い方わからないんです。
「False Tone」って言ったり「Fake note」って言ってみたり
要は「Pitch bend」っていうテクニックを使っています。
口だけで半音下や全音下の音を出します。
練習動画
2とか3あたりでDの音を出そうと頑張っています。
1,2,3のまとめ
ちなみに1番のパターン、速いバージョン(おそらく今の自分の限界。これ以上の速さは不自然になる)
3番の速いパターン、まだ速く吹けると思います
最後に
大事なことはこのようなテクニックを使うのが良い、ということではなく自分にとってより音楽的になるのであれば積極的に使えばいいし、使わなくても充分カッコよく吹ける人はそれでいいし、いっぱいいます。
使うにしても音楽のジャンルはかなり選ぶだろうし、私がやっているジャズではとても相性の良いテクニックかなと思って練習しています。
そしてジャズにしても何の音でもFalse toneで処理すれば良いわけでもなく、いくらスライディングを楽にするためとは言え「この音をFalse toneで処理したらおかしいよね」みたいなのはあります。ここらへんはやはり音楽を注意深く聴いているかということかなと。
あと長々と解説してますがこんな事を考えてアドリブ最中に実行することはできません。
アドリブ中は基本1番慣れ親しんだ最初のポジションでやっちゃいます。
ビッグバンドの譜面を吹くときにこのような考え方はとても役に立つかなと思っています。
アドリブでもこんなのが自然と出てくるようにこれからは頭を切り替えてトロンボーンを楽しんでいこうかなと。
今回これを書くにあたり自分の頭で考えてることを言語化する難しさを痛感しています。
初心者の方には易しくないですね。もっとわかりやすく書きたい。
いやあ難しい。けど楽しかった。
追記
いや、色々書いたけどなんだかんだでリズムがやはり大事なのです。
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